物性実験

渡辺 忠孝

強相関電子系の量子物性研究

私の専門は物性物理学で、強相関電子系とよばれる物質群の研究を行っている。強相関電子系とは、物質中の電子間に強いクーロン反発(電子相関)が作用する物質群の総称で、高温超伝導や超巨大磁気抵抗をはじめとする多彩な新奇物性が発現する系として、現代の物性物理学において最も盛んに研究が進められている。私の研究室では、強相関電子系の中でもエキゾチック超伝導体と幾何学的フラストレート磁性体の研究を特に精力的に行っている。エキゾチック超伝導とは、従来型の超伝導と異なる新奇な機構で発現する超伝導のことで、その機構解明の研究は室温超伝導を実現するための指針を与える極めて重要なものである。幾何学的フラストレーションとは、磁性体において磁性原子間に強い磁気相関が作用するにもかかわらず、結晶格子の幾何学的制約により磁気相転移できない状況のことで、フラストレート磁性体では強い磁気揺らぎが生じるために通常の磁性体では考えられない新奇物性が数多く発現する。

所属学会

  • 日本物理学会
  • 米国物理学会

主な研究業績

「幾何学的フラストレート系スピネル酸化物におけるスピン分子状態の研究(2011 年~ 2014 年)」:Physical Review誌に3報の論文を発表(2012 年、2013 年、2014 年)。このうち2013 年の研究成果についてはプレスリリースを発表。「鉄珪化物におけるエキゾチック超伝導の研究(2008年~ 2011 年)」:Physical Review 誌に2報の論文を発表(2009 年、2011 年)。このうち2009 年の論文は、Physical Review 誌の注目論文賞を受賞。

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