Laboratory

素粒子論研究室

素粒子は、物質の最も基本的な構成要素であり、色々な力の根源でもあります。当研究室では、これらの素粒子の性質や相互作用を、場の理論、重力理論、宇宙論、天体物理、物性物理、原子核物理等の関連分野を視野に入れて研究しています。 かつて素粒子と考えられた陽子、中性子、パイ中間子など強い相互作用を行う仲間はハドロンと総称されていますが、それらは実はクォークと呼ばれるさらに基本的な粒子から構成されている複合粒子です。 荷電粒子は、光子を交換することにより電磁力が働き、量子電気力学で記述されますが、クォークは”色の量子数”を持ち、グルーオンと呼ばれる粒子を交換することにより強い力が働くものとされ、量子色力学で記述されます。とりわけ、複合粒子としてのハドロンの非局所構造を念頭においた研究は、研究室の重要なテーマです。

ヒッグス粒子発見の際に用いられたアトラス実験装置(写真提供 CERN アトラス実験グループ)

調和振動子模型

他方、強い相互作用をしない電子とその仲間はレプトンと総称され、クォークと同レベルの素粒子ですが、この中には弱い相互作用しかしないという面白い個性を持ったニュートリノも含まれています。クォークやレプトンの間に働く電磁力と弱い力とを統一的に理解する電弱統一模型は、数々の実験的検証を経て、今や量子色力学とともに現時点での素粒子の標準模型とみなされていますが、標準模型にも理論的には不満足な点が多く、研究室においてもその彼方にある真の統一理論を目指す研究が精力的に進められています。 素粒子や原子核の内部構造を探るには粒子同士を衝突させる必要がありますが、利用できるエネルギーが高くなるにつれて物質構造のより深い階層の姿が明らかになろうとしています。これに応じて、今やクォークやレプトンも、その複合性や、弦の様な非局所構造を持つ模型との関連性が、問われるようになってきています。このように、素粒子は常に素でない可能性を秘めている粒子であり、素粒子物理学(=高エネルギー物理学)の発展に連れて、絶えず新しい考え方の導入を迫られる研究分野です。

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教員紹介

素粒子論研究室研究室

二瓶 武史
専門素粒子論
三輪 光嗣
専門素粒子論