Faculty
素粒子の標準模型を超える理論
素粒子研究室では、物質の最も基本的な構成要素である素粒子の性質や相互作用を、量子論、宇宙論、物性論、原子核理論等の関連分野を視野に入れて研究しています。素粒子のうち、核子や中間子などの仲間は強い相互作用を行いハドロンと総称されていますが、それらは実はクォークと呼ばれるさらに基本的な粒子から構成されている複合粒子であり、量子色力学で記述されます。一方、電子やニュートリノなどの仲間はレプトンと総称されます。クォークやレプトンの間に働く電磁気力と弱い力とを統一的に理解する電弱統一模型は、数々の実験的検証を経て、今や量子色力学と共に現時点での素粒子の標準模型とみなされています。しかし、宇宙の暗黒物質やニュートリノ質量ヒッグス質量の階層性問題などに関連して、標準模型では説明できない点も残されており、当研究室においてもその彼方にある真の統一理論を目指す研究が精力的に進められています。
所属学会
日本物理学会
主な研究業績
- K. Shudo, T. Nihei, "Electroweak bremsstrahlung in binolike dark matter annihilations", Physical Review D88 (2013) 055019.
- T. Nihei, "Suppression of the neutralino relic density with supersymmetric CP violation". Physical Review D73 (2006) 035005.