Faculty

超伝導

特任教授

高野 良紀Yoshiki Takano

研究者情報
高野良紀 教授

電子固体の基礎と応用

本研究室では超伝導応用の基礎、新超伝導物質探索および希土類金属間化合物の磁性の研究を主に行ってきています。現在の研究テーマは(1) 鉄系超伝導体の機構解明と新物質探索、(2) 低次元化合物の磁性、(3) LixBC における超伝導探索の3 つです。

(1)では主に1111系の1つであるAFeAsF(A=Ca,Sr,Eu)に着目しています。本系はAの一部を3価の希土類元素で置換すると電子ドープにより超伝導が発現しますが、Fを欠損させても電子ドープが可能です。私たちは希土類置換およびF欠損した純良試料作成とそれらの電気的・磁気的性質を調べています。

(2)では遷移金属リントリカルコゲナイドMPX3(M:遷移金属、X:カルコゲン元素)に注目しています。MPX3 はMとXの違いにより、同一の結晶構造を保ったまま、異なる磁気秩序構造をとるなど興味深い物性を示します。最近、FePS3については銅酸化物高温超伝導体と同じMott絶縁体であり、高圧印加により金属非金属転移を起こすことが、また、MnPS3はマルチフェロイック材料であることがわかってきました。そこで、これまでの結果を見直し、新機能の発見に取り組んでいます。

(3) に関しては、高い超伝導転移温度を持つMgB2と類似の結晶構造を持つLixBCでは約65~105Kの超伝導転移温度が予測されています。我々は金属的な電気抵抗の温度依存性を示し、約20Kで電気抵抗率の著しい減少を示すものを見出しており、今後、詳細に調べていく予定です。

グローブボックスを用いた試料作成準備

所属学会

日本希土類学会(副会長)
日本時期学会(理事)
日本物理学会
応用物理学会
日本工学教育協会
駿博会

主な研究業績

(1) R. Suganuma, Xinzhe Jin, T. Watanabe, K. Takase, Y.Takano, J. Physics Conference Series 200, (2010) 012193.
(2) N. Mori, Y. Takano et al, Physica C 471 (2011) 1158.
(3) M. Maeda, K. Takase, Y. Takano et al., J. Am. Chem. Soc. 96 (2013) 2893.

2010 年に「希土類イオンによる超伝導体と関連物質の磁性および電気伝導の制御」という題目で、日本希土類学会賞(塩川賞)を受賞しました。最近では、鉄砒素系超伝導体とその関連物質について研究しています。

CSTサイエンスアカデミー

その他