Faculty

統計物理

特任教授

糸井 千岳Chigaku Itoi

研究者情報

分子大集団の量子力学的性質

物質は非常に多くの原子や分子から成り立っている巨視的な系です。物性実験では物質の熱力学的な量を測定し、その物質の巨視的な性質を知ることができます。一方、統計物理では、原子や分子の微視的な量子力学の情報から、確率論の助けを借りて、物質の熱力学的な性質を理論的に予言し、実験結果の理論的な説明を行います。この研究室では、電子系やスピン系の量子力学的状態や磁性などの数学的な研究をしています。熱ゆらぎや量子ゆらぎ、あるいは不純物による乱雑さなどが電子系やスピン系の磁性秩序をかき乱す効果によって物質は多様な巨視的性質を示します。格子空間上での電子系に限っても、結合定数や電子密度によっては常磁性、強磁性、反強磁性、金属伝導、超伝導など非常に多くの巨視的性質を示すと予想されています。このように、統計物理は単純な模型を仮定して多様な物質の巨視的性質を理論的に説明することを目標とします。現在この研究室では、ランダムスピン系におけるスピングラスの研究を行っております。

図1

図2 (a)解析したスピンチューブ模型、(b)その相図

所属学会

日本物理学会
日本工学教育協会
駿博会

主な研究業績

  • "Spin-chirality separation and S3-symmetry breaking in the magnetization plateau of the quantum spin tube((量子スピンチューブの磁化プラトーにおけるスピンカイラリティ分離とS3 対称性の破れ))" Physical Review B85, p.054416-1-6,( 2012) C. Itoi et.al
  • Gapless excitation above a domain wall ground state in a fl at-band Hubbard model”「平坦バンドHubbard 模型における磁壁基底状態上のギャップレス励起」Journal of Statistical Physics, 119, p.391-425( 2005) M. Homma and C. Itoi

CSTサイエンスアカデミー

その他