Laboratory

生物物理研究室

生物物理学研究室では、匂いの記憶・学習に関わる脳・神経システムにおける情報伝達・処理機構の研究を行っています。軟体動物であるナメクジには匂い情報を判断・記憶する脳の中枢領域があり、その領域の神経細胞が同期して発火しています。この電気的な活動の時空間パターンを解析することで、その神経活動の仕組みを解明しようと考えています。興味深いことに、このナメクジが匂いを認識するシステムは、マウスやヒトなど多くの種間でも非常に似た構造を持っています。つまり軟体動物の匂い認識・記憶システムにある普遍構造を特定できれば、ヒトやヒトに近い哺乳類であるマウスやラットの脳・神経系に応用可能だということです。このような研究を通して、記憶・学習のメカニズムを解明することを目指しています。

ニューラルネットワーク

脳機能を担う神経細胞(ニューロン)は神経線維(軸索・樹状突起)を伸ばして、複雑な神経回路を形成しています。その神経細胞同士は、シナプスと呼ばれる構造を介して情報のやり取りを行っています。

軟体動物の脳神経系

ナメクジの嗅覚中枢である前脳葉では神経細胞が同期して発火していて、前脳葉の活動は触覚に与えた匂い物質に応じて異なる反応を示します。この活動は、微小電極を用いた電気生理学的手法により局所場電位(LFP)として捉えられます。

脳神経系の高次機能(記憶・学習)

ナメクジやモノアラガイなどの軟体動物は比較的単純な神経構造でありながら、高度な学習を習得できます。このような学習による記憶がどこでどのように形成・保持されるのかを、匂い味覚連合学習と電気生理測定法を組み合わせて解明していきます。

教員紹介

生物物理研究室

小松﨑良将
専門生物物理学