研究紹介
宇宙空間と同等な極限的に高いベータ値(プラズマ圧/磁気圧)を再現でき、理論的に最も高効率な核融合炉心を実現する可能性を持つ「Field-Reversed Configuration: FRC」プラズマの実験を中心に、実験室天文学、プラズマプロセス、医療応用など、プラズマ物理学の基礎から応用にわたる研究を行っています。
船橋校舎・プラズマ理工学研究施設で開発されたFRC衝突・合体実験装置:FAT-CMは、この方式における実験研究を実現した国内唯一の研究設備で、国内外から多数の研究者が実験に参加しています。
このFAT-CM装置とそれを用いた実験手法は、令和3年度プラズマ・核融合学会学会賞「第26回技術進歩賞」を受賞しました。
また、世界最大のFRC装置C-2Wを有するTAE Technologies社(米・カリフォルニア州)との共同研究には、学生・院生も参加し、精力的に研究を進めています。
FAT-CM装置における重水素FRCの衝突・合体実験。衝突時の相対速度は秒速500kmを超え,超新星残骸中の衝撃波現象などを再現できる。
研究分野
- 高ベータ磁場閉じ込めプラズマ(FRC・Spheromak)の安定性,緩和機構等に関する研究
- FRCによる高効率核融合炉心プラズマの開発
- 磁化同軸プラズマガンの応用(核融合・光源・新材料創成)に関する研究
- 超新星残骸中に生じるプラズマ現象・無衝突衝撃波の地上実験
- コンピュータによる画像再構成などプラズマ計測法の開発
- 大気圧低温プラズマの応用に関する研究
- 大電力パルス放電技術の応用に関する研究
おもな研究テーマ
- 磁化プラズモイドの超音速衝突による無衝突衝撃波の地上実験(科研費・基盤研究A(令和2年度〜))
- 極限的高ベータプラズモイドの自己組織化的生成実験(科研費・挑戦的研究(萌芽)(令和元年度〜))
- FRCによる高効率核融合炉のための波動印加による加熱・電流駆動法の開発(UCI,TAE,東大,群大との共同研究)
- 磁化同軸プラズマガンによるFRCへの燃料供給法の開発(TAE社/UCIとの共同研究)
- FRCの超音速(〜500km/s)衝突合体生成法の開発(TAE社/UCIとの共同研究)
- コンピュータトモグラフィを用いたFRCの内部構造の観測
- 大気圧プラズマによるガン治療法の開発(日大医学部との共同研究)
- マイクロ波CTマンモグラフィによる被曝のない乳がん診断法の開発(日大医学部との共同研究)
- イオン電磁加速法によるDLC成膜実験(ナノテック株式会社,日大理工電子工学科との共同研究)
同軸プラズモイド加速装置の開発。核融合炉心への燃料供給や宇宙デブリの処理への応用、磁気リコネクションなどのプラズマ物理学の研究を進めています。
最近の発表論文
共同研究者/グループ
日本大学理工学部物理学科 プラズマ理工学研究室
〒101-8308 東京都千代田区神田駿河台1-8 tel: 03-3259-0894
船橋校舎 プラズマ理工学研究施設(物理実験A棟)
〒274-8501 千葉県船橋市習志野台7-24-1 tel: 047-469-5349
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